UNBLOCK 「サイレン」
「夢が叶った…」
晶は心の中で呟いた。鼓動は高鳴っていた。ライブハウスを埋め尽くす群衆。思い返せば、高校生の頃からロックスターになると夢見てここまでやってきたのだ。
歌っている時、全てを忘れていた。ただ体が動いていた。
歌のサビに入った瞬間、俺は今日この日の為に生まれたのだという想念に心が囚われた。
「俺はこの場所から、この瞬間の恍惚から逃れられない」
誰よりも、何よりもカッコ良く美しく在りたい、その為だけに、詩と曲とルックスに全てを捧げて来た。
自分が最も光り輝けるこの場所が自分の宿命だと悟った。
名残惜しいものは何一つ捨てられないが、
夢に導かれ、たとえ傷つこうとも、この場所しか行く所がない。